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上海市政府と日本産業界との座談会 結果概要

  • 掲載開始日時:2018.07.26
  • 掲載終了日時:2021.07.31

2018年7月26日

上海日本商工クラブ

 

 

上海市政府と日本産業界との座談会 結果概要

 

 

日 時:2018年7月19日(木)9時~12時30分(当初予定11時終了)

場 所:上海市政府(浦東新区世博村路139号8号楼401室)

参加者:

<日本側>在上海日本国総領事館、JETRO上海事務所、上海日本商工クラブ、及び、在上海日系企業(三井化学、ADEKA、住友商事、日通国際物流、ハウス食品、みずほ銀行)の代表

<上海市側>商務委、税関、環境局、人社局、通信管理局、発改委、経信委、金融弁協、安監局、規土局、食薬監局などの代表・担当者

 

議事内容:

1.双方代表あいさつ

 上海市側の楊朝商務委員会副主任の挨拶で開会。上海市は近年、改革開放に伴いビジネス環境改善を非常に重視している。日本が建議を提出したこと、またこのような機会を作ってくれたことに感謝。

 日本側から在上海日本国総領事館の村嶋経済部長が挨拶。今年の5月に李克強総理が8年ぶりに来日し、習近平国家主席も来日予定であるように、日中関係はよくなってきている。上海市でも日中友好を深めていくため、領事館、JETRO、商工クラブは三位一体で取り組んでいる。その取り組みの一つが、2013年から実施している建議のとりまとめ。今年は自由貿易試験区だけでなく、上海市向けに提出した。

 続いて上海日本商工クラブの小宮理事長が挨拶。中国日本商会が2010年から白書をとりまとめており、その中に前出の建議をはじめ外資企業のビジネス環境改善が含まれている。7月17日に日本とEUが経済連携協定に署名をしたが、世界経済の持続的成長には自由貿易の推進が重要。現在の中米貿易摩擦の影響を在上海日系企業も心配している。今日のような対話の機会は非常に貴重であり、感謝する。

 

2.個別テーマの討議

(1)環境規制について

 日本側から、以下のような指摘をした。特定の排出物に対して、地区によって国家基準よりも厳しい規制を求めることは控えてほしい。機器の故障時などの非常時にも一律に基準を適用することは避けてほしい。排ガス中の汚染物質計測にあたり、①公平な第三者機関を育成し、その機関に測定させる、②測定値に不服がある場合の不服審査プロセスを設けることをお願いしたい。さらに、危険廃棄物を広域で処理するための省間移動を緩和してほしい、当局の検査員を装って法外な要求をするコンサルタントの被害などがあった、等々。

 これらに対して上海市側から以下のようなコメントがあった。測定値に不服がある場合には、不服申し立てをできる規定がある。排出基準は国家基準を満たしていればよい。立入検査員は必ず身分証を提示することになっている。また、日本側から有意義な意見をいただき、出来ていなかったことを知ることができた。外資企業が問題提起できるメカニズムを提案したい、等々。

2)化学品管理規制について

 日本側から、中国が力を入れている産業にも化学品は欠かせないものであり、その保管、輸送、使用、廃棄、各段階について、安全かつ適切に活用できるような法規と執行が必要である旨の指摘がされた。少量品やサンプル品の取り扱いについては、一般の大量利用の場合と分けて管理してほしいこと、また、危険化学品の輸入通関手続きが停止していることについて、再開できるようにしてほしいとの要望が述べられた。

 これに対して上海市側から、危険化学品が保税区内で通関できない問題については、関連部署と協議しているとコメントがあった。また、危険化学品の管理に関し、生産・保管・利用の量など企業の実際の状況に応じて管理を行うよう中国の法律に記載されている旨の指摘があり、問題点があれば、安全生産監督管理局まで問い合わせてほしい、等々の発言があった。

3)金融について

 日本側から、外貨クロスボーダープーリングの申請・認可は年に1回行われるが、今年はまだであり、早期に受付を再開してほしい、また、人民元クロスボーダープーリングの利便性を高めてほしい旨の発言があった。それに対し、上海市側から、要望事項については外貨管理局に伝え、調整を図ることとしたいとのコメントがあった。

 また、投資性公司の設立について、区による対応の違いなどの日本側からの指摘に対し、上海市側から、いくつかの要件は残っているものの参入レベルは下がっている旨の発言があった。

4)貿易・通関について

 日本側から、いくつかの指摘があった。HSコード確認のため上海で行っている「预归类」(事前教示)の結果が他地域では利用できないので、回答結果が全国の税関で効果を発揮できるようにしてもらいたい。また、本年8月1日より,税関と出入境検検局のシステムが統一され,新しいシステムの下で全国統一の通関を行うと認識している。システム変更により荷主に影響を与えないよう念入りなチェックをお願いする、等々。

 上海市側から、個人的な意見として、「预归类」は全国で適用できるものと認識しており、質問を持ち帰り,他の部局に確認したい、また、システム統合については、制度の変更点は税関ホームページ等に公表しているため,企業側も情報収集を行ってほしいなどのコメントがあった。

5)食品について

 日本側から、小売とデリバリーが当社の売り上げの半分以上を占めるようになっており、市政府として今後の見通しや管理の方針などを教えてほしい旨の意見が述べられた。

6)その他(移転問題・通信管理等)

 日本側から、都市計画・移転問題について、企業は市当局からの正式な通知もなく、移転の圧力を受けることがある旨、また、移転をするにしても、土地評価や税の問題など様々な部局に関わるので、市政府内での連携と相談窓口を指定してほしい旨などが指摘された。また、通信管理について、日本の情報サイトが閲覧できないなど、日系企業が経済活動をする上で大変不便なので、解禁してほしい旨の要望があった。さらに、外国人居留証の取得の新制度開始から1年以上が経ったが、窓口によって解釈が異なったりすることがあるようなので、更なる改善をお願いしたいことが述べられた。

 

3.総括及び今後の進め方

 JETRO上海事務所の小栗所長より、予定の2時間の会議を大幅に超えて討議した総括として、以下のような発言があった。上海市政府関係者には、忙しいところ有意義な座談会を開催していただき感謝する。コミュニケーションが重要であり、日中の経済貿易推進のために、上海市と日本側が恒常的に話し合いのできる「調整メカニズム」を構築する指針に合意できたことを評価する。ハイレベルでの対話も重要であり、副市長にも報告いただいた上で、今後もできれば副市長の参加も得て、毎年続けていきたい。

 

 

 

(了)

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